
新入生の皆さん、入学おめでとうございます。
皆さんは、これからの高校生活3年間、勉強はもちろんのこと、先生方、友達とのかかわりや学校のイベントなどを通して多くのことを学ばれ、経験することで成長されていくことと思います。
特に、高校生活で班活動は大きな位置を占めており、どこに入ろうかと思案されている人も多いのではないでしょうか。
昨年10月にマスターズ花園という、皆さんにとっては、お父さんやお爺さんぐらいの方が参加する大会があり、私も参加することになり、50年ぶりに膳所高校での練習に参加しました。
グラウンドに立って何十年ぶりにボールをパスしたり走ったりしていますと、高校時代の記憶が少しずつよみがえってきました。そこで、当時の自分がどのようにラグビー班を選んで、どう感じたかをお伝えし、どこの班を選ぶかの参考になってもらえたら、という思いから書いております。
できれば、ラグビー班を選んでもらえることを期待しております。
実は、私は右股関節に子供のころから障害があり、中学卒業まで運動ができませんでした。その反動からか高校に入ったら運動部に入ることに決めていました。そして、中学校までは部活にはない種目であること、できるだけ体を鍛えられそうなことからラグビー班を選びました。
ラグビーは観戦するのは面白いが、危険なスポーツで自分がやるものではないという印象を持つ人が多いと思います。体が大きくて走りが早く、敏捷に動ける人、人一倍頑健でないとできないのではないかという印象を持っている人は多いのではないでしょうか。私もそういう思いの一人でしたが、中学まで運動できなかった者にとって無謀な挑戦かもしれないけど、とりあえずやってみることにしました。
練習は、はじめは辛く、筋肉痛がひどく歩くのも大変な感じでしたが、1か月もするとなんともなくなり体つきが変わっているのが感じられ、いつの間にか最近まで運動できなかったということも忘れ、チームに溶け込めるようになっておりました。
といっても、走るのも速くなく、体も小さい自分が、ちゃんとやっていけるのかという不安はありましたが、ラグビーという競技には、ポジションによって役割がそれぞれあり、各自の特性に合った役割のポジションがあるのです。足の速い人、体が大きく力の強い人は当然有利ではありますが、それ以上にそれぞれの役割をちゃんとこなすことが、チームのためになる。そういう競技です。運動に自信のない人でも十分にやっていけます。私は、スクラムハーフというポジションを受け持ち、速さよりも継続した走りと正確なパスが最低限の役割と考え練習に取り組むことにし、3年間続けることができました。
また、ラグビーというと、選手同士がぶつかり合うので、怪我が心配とか怖いといったイメージを持たれることも多いかもしれませんが、実感としてそれほどでもありません。安全重視のルールがしっかりしていますし、道具を使わず生身の人と人がぶつかるのですから、余程のことがない限り大きな怪我にはなりません。そして、怖がらず、勇気をもって行うことが怪我をしにくく、しかも良い結果が得られることに気づくはずです。
よく、ラグビーを社会活動や会社組織にたとえることがあります。チームのために責任をもって自分の役割をこなすということが似ているということからでしょう。練習が辛くなって休みたいと思うこともあってもチームのために頑張ろうという気持ちに自然となってきます。こういったことの積み重ねが財産になっていくと思います。
実感として、学校生活、卒業してからもいろいろな局面でラグビーを頑張ってきたことがよかったと思うことが少なからずありました。一生の付き合いとなる良き仲間、友人もできました。
みなさん、興味持ってもらえたなら、ぜひ一度練習を見に来てもらえればと思います。
これから運動をやってみたいと思っている人も、走りに自信ある人もない人も、体が大きい人も小柄な人も、どのような人でも受け入れられるスポーツがラグビーです。
きっと、ラグビー班が気に入ってもらえると思います。
転載:野口(1985卒)