2025.04.13「ラグビーは自分の人生の芯となり屋台骨となり、壁を突破する力を与えてくれている」昭和55(1980)年卒 田中 義和
トヨタ「MIRAI」開発責任者
新入生の皆さん、膳所高校入学おめでとうございます。
自分は、ラグビーが盛んな野洲出身でしたが、中学ではラグビー未経験で、思い返せば今からはるか48年前。ラグビー班に入ったきっかけは、実は野球班の練習に参加しようとグラブなど持参して登校したのですが、当日はなぜか野球班の練習のない日で、たまたまグラウンドで練習していたラグビー班の練習がとても雰囲気も良く楽しそうで眺めていたところ、最終的に当時ラグビー班監督だった北居先生に半ば引っ張りこまれるような形でラグビーを始めました。ポジションはスクラム最前線で敵と対峙する左プロップ(1番)。敵から味方から、前からも後ろからも押されるという、よくよく考えるとラグビー特有のポジションだと感じます。
自衛隊での夏合宿や折々でのけがなど、正直つらい思い出も尽きないですが、はっきり言って勉強そっちのけ、在学中は教科書よりラグビー専門誌「ラグビーマガジン」を熱心に読んで過ごしました。同級生からも「ラグビーは一生懸命だけど、勉強は超低空飛行」との記憶が今も鮮明のようで、同級生と杯を酌み交わすと、からかわれることも多いです。
結局、卒業後の浪人生活を経て京都大に入学しましたが、京大で再会した膳所高の同級生からは「何でゴリ(あだ名)がここ(京大)に!?」と驚かれました。ラグビーで培った体力や気力、ここぞという時の集中力に背中を押されたような気もします。
高校卒業後も膳所高OBチームのラグビーの試合に足を運んでは、ノーサイド(試合終了)後に、皆で飲んだビールのうまさは生涯忘れられません。
前置きが長くなりましたが、今も会社に入って色んなプロジェクトに参画し、ライバルから味方から、前からも後ろからも押され、壁にぶち当たることも多いのですが、膳所高ラグビー班の一員として仲間と過ごした時間と記憶が自分の原風景となり、今も続くラグビー班の旧友との繋がりが、確実に励みとなり、人生を豊かなものにしてくれています。膳所高在学中、勉強一筋では決して得られなかった貴いモノがラグビーを通じて得られ、自分の人生の芯となり、屋台骨となって支え、壁にぶち当たったときに突破する力を与えてくれている――そんな気がするのです。
最後に大切なメッセージ、「新入生のみんな、来たれ膳所高校ラグビー班へ!!」。
転載:野口(1985卒)